日本一のトレイルランニングレースと思われるMt.Fuji100(旧UTMF)の当落選がでた。運悪く当選してしまった私は今年で3回目のMt.FUJI100(旧UTMF)に出場をする。そして3度目の100マイル完走を目指す。
ロングレース完走の秘訣は、とにかく止まらずに進み続けることだと思っている。速くはない私が今まで様々なレースで完走してこれたのは、止まらずに進み続けてこられたからだ。
進み続けるためにトラブルは限りなく減らさなければならない。MtFUJI100(旧UTMF)は夕方17時スタートで、大抵のランナーが2晩を山で迎える。日の出日の入り時刻によるが、レース制限時間45時間の半分は暗闇で過ごすことになる。夜間の対策は必須だ。
Mt.FUJI100(旧UTMF)だけでなく同日開催のKAIでもハセツネカップでも、午後スタートのレースでは夜間対策はするべきだと思う。
今回はMtFUJI100(旧UTMF)とKAIにそれぞれ参加する友人2名と共に、12月の高尾周辺で夜間走を行った記録をまとめる。これからロングレースにでる人、夜のトレイル未経験の人、トレイルランニングに興味のある人は参考にして欲しい。私の経験を元にみんなが完走できれば幸いだ。
【結論】夜の山は楽しいから定期的にやるべき
結論から書いてしまうと夜の山は、見慣れたコースだったとしても昼間とは全く違った雰囲気を見ることができる。その感覚を忘れない頻度で友達と楽しみながら定期的にやって欲しい。
夜の山はハラハラするし怖い。けれども、その非日常的な体験がとても楽しい。大人になってヒヤヒヤハラハラすることが減っている人も多いのでは?夜の山は、それを味わうことができる。1人だと怖いので、仲の良い仲間とやってみて欲しい。
夜間走をやる時期・エリア・人ついて
やる時期は夏以外が良いと思っている。仕方がないことだが夏は虫が多い。また標高にもよるが夜間でも暑いので、水分を相当量持たないといけない。万が一でも夜間は山小屋はやっていないのだ。
エリアは慣れたコースをお勧めする。自分は高尾周辺が多い。万が一トラブルがあってもエスケープできる。
夜間一緒に走るメンバーは、気心知れたメンバーをお勧めする。夜間の山でトラブルが起きたり、誰かが走れずにペースが遅れたりして計画を変えることも、考えておく必要がでてくるからだ。その際にやはり気心の知れた友達のほうが楽しくやれると思う。
今回は寒い12月の高尾山周辺で行うこととした(気温2℃)。時間は金曜日の21時スタート。各自仕事を終えてから走り出すことで、ある程度疲れてから夜パートへと突入したという想定だ。
コースは高尾山口駅から高尾の南北を走るマンモスルートをチョイスした。エリアは走り慣れていたが、マンモスルート自体は初めてだった。けれども各自の腕時計にgpxデータを入れてルートを確認しながら走ることにした。メンバーは、走ることで再び集まった同級生で数年の付き合いがある気心知れた友達だ。楽しくないわけがない。
スタートして数分トレイルの奥の暗闇から何やら動物の唸り声?
みんなで怖くて固まったがしばらく様子をみて、動物の気配もないことを確認して進むことにした。1人だったら逃げ帰っていた。
夜はロストしやすい、月明かりは明るい
初のコースだったこともあって、何度かロストしてしまった。幸い3人でルートを確認していたのですぐに気づき引き返すことができた。
夜の山はヘッドライトの明るさが頼りで、分岐を見落としやすいので要注意。
それでも、この日は満月だったのでとても明るく感じた。夜間にトレイルに入ることで再認識することができた。雨であれば更に見落としやすい。特に注意が必要だ。
すみやかな体温調整が大事。新調した帽子が活躍
走り出したときの気温が2℃程度だったが、動き出せば丁度良く、登りに入ると暑く、立ち止まると寒かった。また標高が上がったり、風が吹き付けるエリアはやはり寒かった。
レースでも重要なのはその都度面倒がらずに速やかに体温調節をすることだと思う。
Mt.FUJI100(旧UTMF)でも必携品になっている「保温のための耳までを隠す帽子」を新調したので今回の夜間走で試してみた。今まではよくあるニット帽を準備していたが、今回はモンベルのジオラインL.W.バラクラバを導入してみた。結果、これがとてもよかった。
耳も首も隙間なく保温することで常に暖かく過ごすことができた。
また薄手で携帯制に優れ、呼吸も苦しくなく、耳を覆っても友達と快適に会話をすることができた。今まではシェルのフードなどを被っていたが、会話が聞き取れないことがあった。機会があれば改めてレビューをしたい。冬の時期のjogにも使えると思うのでお勧めしたい。
眠気対策
夜の2時頃を過ぎると眠くなってくる。この日は仕事を終えてから走っている。もちろんいつもなら寝ている時間だ。Mt.FUJI100(旧UTMF)でも2日目の夜になればコース上で寝転んでいる人がいる。眠気に対する対応も重要だ。
今回初めてMt.FUJI100(旧UTMF)とKAIに参加する友達は2人とも眠気と戦っていた。カフェインピルやエナジードリンクや短期睡眠など各々対策をしていく必要がある。自分は使用経験はないがカフェロップというものを携帯している。
この日は友達は走りながら眠れることに気づいたと言っていた。レースでいきなり経験するのではなく、夜間走を通して経験しておくことが重要だと思う。
寒いとバッテリー消費が早い(カロリー消費も)
ヘッドライトはLEDLENSERのH8Rを愛用している。言わずもがなの名機だ。
Mt.FUJI100(旧UTMF)にでているランナーの大半はこれを使用していると思う。友達は2人とも後継品のH8R SEを使っている。明るくてバッテリー持ちの良いH8Rだが、この日は3人とも一度はバッテリー切れを起こした。予備電池に変えて対応したが、初めてKAIに出る友達は予備バッテリーを持っていなかった。初の夜間走だったこともあり、バッテリー切れを想定していなかったようだ。夜間走を経験したことで学べたことである。今回はバッテリーが同じ型だったので貸して対応した。
そしてこの日は45km程度を持参した補給食で乗り切る工程だったが2人とも補給食切れとなってしまった。寒さから消費カロリーが多く、補給食の消費が早かったと感じたようだ。これも夜間走を通じて学べたことだと思う。
朝日は活力を与えてくれる
夜が明けて走っている最中にきれいな朝日を見ることができた。太陽がでるだけで、暖かくなり眠気もとれて身体は動くようになることを再認識した。レース中に深夜辛い展開があった時は、無理をせずに日の出を待つのも有効なのかもれない。
補給食がきれたことで南高尾のトレイルはやめてロードに下りて、コンビニに向かい補給を急ぐことにした。補給後は甲州街道をjogで繋ぎ、八王子駅をゴールとして約50kmでこの日の夜間走は無事に終えることができた。
レース以外の夜のトレイルで非日常を楽しむ、そして再確認すべし
金曜日の仕事終わりにスタートして、土曜日の昼頃には自宅に帰宅。まだ休日は始まったばかりだ。そのままいつも通り家族と過ごしていると、昨夜まで動物の唸るトレイルに居たのが信じられなくなる。
頻繁にやるのはスケジュール的にも体力的にも難しいが、年に数回このような経験をしていれば焦らずに夜間パートのあるロングトレイルレースに対応できると思う。
是非ともみなさんにオススメしたい。
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